政府の規制改革推進会議の作業部会は13日、一般ドライバーが自家用車を使い有料で顧客を送迎するライドシェアについて議論しました。ライドシェアの解禁に向け、新法制定の検討を政府に提言しました。提言は事実上の全面解禁につながる内容です。
ライドシェアとは
ライドシェアとは、自動車を相乗りすることを指します。運転手も乗客も双方が「一般人」であり、乗客を運ぶ対価として運転手が報酬を受け取るサービスモデルのことです。欧米では安価な交通手段として広く浸透しています。
日本では、タクシー運転手に必要な第2種運転免許を持たないドライバーが、お金を受け取って乗客を目的地まで送り届けることは「道路運送法の第78条」により、白タク行為にあたり原則禁止としています。ただし、金銭を受け取らない場合は違法行為にはなりません。
「自家用有償旅客運送」の制度
公共交通機関の乏しい過疎地などでは、例外的に認める「自家用有償旅客運送」の制度があリます。自家用有償旅客運送とは、バスやタクシーなどの公共交通機関が提供されていない過疎地域などで、住民の日常生活における移動手段を確保するために、国土交通大臣の登録を受けた市町村やNPOなどが自家用車を用いて有償で運送する制度です。運行は非営利で区域や料金について事前に自治体や交通事業者などと協議する必要があり、株式会社は参入できません。
委員会が提出した意見書には、事前協議の撤廃や株式会社の追加など、制度の拡大を求めました。また、ライドシェア事業者の性犯罪対策やドライバーの本人確認といった安全対策の徹底も訴え、年度内をめどに具体的な方針を決定するよう求めました。
ライドシェアが解禁されると、観光地でのインバウンド需要や、都心部で夜間にタクシーが不足する状況の解消など、運転手不足に対応できます。しかし、タクシー業界の衰退や、安全性の低下、交通渋滞の増加など、問題も予測されます。